驚くべき人の手の力とは!?東洋医学の効果は手の感覚で決まる
いま、VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)の分野が急速に進歩しています。
VRとは、映像や音などで人間の感覚器官に働きかけて、非現実の世界をあたかも現実のように体感させる技術のことです。
様々な機器が出回っていますが、たとえば、専用の大きなゴーグルの中の映像をジェットコースターに乗っているものにすると、それを見ているだけで、まるで乗っているかのような体験ができるのです。
このような技術が、いまではゲームやエンターテイメントだけでなく、医療や教育などの分野でも活用されています。
技術は、人の手の<感覚>を超えられるのか?
しかし、このような仮想現実を作り出す素晴らしい最先端の技術でも、「人の手が行うマッサージを完璧に再現させること」は不可能だと私は思うのです。
なぜなら、人の手の持つチカラはプログラミング出来るほど、単純なものではありません。
例えば、アーユルヴェーダのアビヤンガ・オイルマッサージの施術にしても、指圧・マッサージ・鍼(はり)治療・お灸にしても、これは人が訓練しなければ得られない感覚を要する世界です。
アビヤンガ・オイルマッサージでは、癒しと共に、ピッタ・カファ・ヴァータといったエネルギー調整をしますが、アーユルヴェーダ特有の、体質別のオイルを使うだけでは、本来の目的を果たすことは到底できません。
頼るのはオイルの力だけではなく、体質を見極め、使用するオイルの質や量を見極める判断。
そして、筋肉や腱の緊張や緩み・皮膚の荒れや乾燥・むくみ・経絡(気の通路)の詰まりなどを施術中に瞬時に読み取りながら、手技の種類や圧のタイミングも微妙に調整したマッサージ。
全身にくまなく薬草・ハーブの成分を入れ込んでいき、有効的に働かせていくのがアーユルヴェーダのアビヤンガ・オイルマッサージであると、私は考えます。
また、鍼(はり)治療では、皮膚の下にある見えない筋肉や、気血水の滞りなど感覚を、鍼先を通じて「指先で感じながら」ポイントを探っていく。
一瞬一瞬、手から読み取る身体の情報が施術ポイントの決め手となり、そうでなければ、マッサージ機による機械のマッサージと大差ない施術でしかありません。
人の手による医術=「技」は、決してコンピューターにはプログラミングしきれない世界の領域です。
これは、神さまが人に与えた特別な<ギフト>だと、私は感じています。
東洋医学の真髄を受け継ぐ
アーユルヴェーダや鍼灸治療が数千年もの間、人と人の間で受け継がれてきたように、人は人によって癒され、治癒されるという共鳴の世界。
それが、歴史を積み重ねてきた東洋医学の真髄です。
施術に、人にしかない智恵と心を込めて、日々精進していきます。
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