西洋医学 ・中国医学・インド伝統医学アーユルヴェーダが示す「健康と病気」
私は以前、大手旅行社からの依頼により会員様限定の教養講座の一環として、アーユルヴェーダについての講座を担当させて頂きました。
その中で、参加された方々の関心が深かったテーマをご紹介します。
西洋医学 ・中国医学・インド伝統医学アーユルヴェーダの違い
日本の敗戦後、医療の主流は本格的に西洋医学へと移行し、私たちは病気になったら病院に行き、処方される薬を飲む治療に慣れてきました。
西洋医学では、検査などによって「病気」か「健康」かどちらかに診断され、異常があれば「病気」として扱う治療を行います。
しかし、検査で異常が出なければ「健康」なのでしょうか?
鍼灸治療を含む中国医学は、そこにもう一つ「未病」という区分が加わり、未病に対する治療も行われていきます。
未病とは病気ではないが健康とも言えない状態を示し、「正気(自己治癒力)と邪気(病気の元)」とが戦っている様子をいいます。
未病というカテゴリーが存在する中国医学。
正気を養い、自己治癒力を高める未病対策が可能であることが、鍼灸治療も含めた中国医学の魅力だと私は思っています。
また、さらにインド伝承医学・アーユルヴェーダには「健康」「蓄積」「増悪」「播種」「極在化」「発症」「慢性化」と、病気〜健康までを7段階に細分化した基本的概念があります。
アーユルヴェーダでは、あらゆる病気の根元にある「体内毒素」を主観に捉え、健康な状態から病気の元である《毒素》がどのように身体に影響するかを7段階に明確に表わしています。
そのため、アーユルヴェーダでは様々な症状に対して体内毒素を排出するデトックスの取り組みによって症状改善へと導きます。
アーユルヴェーダと鍼灸治療の可能性
私は、アーユルヴェーダ・デトックスと中国医学の鍼灸治療による施術に携わっています。
日々の臨床で心身共に改善されていく様子を目の当たりにすることで、古代からの伝承医学が現代人にも充分通用することを実感しています。
病気とは診断されなくても、身体の不調があればそれは健康とは言えません。
自己治癒力を高め、邪気(病気の元)に負けない身体作り。
そして、アーユルヴェーダのデトックスアプローチで、病気の元となる毒素を排出させる。
中国医学とアーユルヴェーダは、病気になる前に健康へ導くと同時に、健康を維持して病気から遠ざけるための医学です。
講座へ参加して下さった方から「これまでの治療に対する選択肢の目隠しが外されたような日になりました。アーユルヴェーダや鍼灸治療も試してみたいです。」とご感想を頂いたことが印象に残っています。
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